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足関節内反捻挫への対処と再発防止

足関節内反捻挫の症状

捻挫とは、骨と骨を繋ぐ関節を支える靭帯が損傷する怪我のことを言います。

足関節(足首)捻挫は整形外科的スポーツ外傷の中で最も多いと言われています。足関節捻挫の大部分は、着地をした瞬間や切り返し動作などで足をついた瞬間、時には歩行時や走行時で足をついた瞬間などに、足を内側に捻って捻挫をする内反捻挫(ないはんねんざ)です。

足関節内反捻挫

内反捻挫は足首を内側に捻って生じるため、足関節の外側の組織を引っ張る力が生じます。

足関節の外側を支える靭帯のうち、内反捻挫で最も捻挫する靭帯は前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)という、外くるぶしの前部分の関節を支える靭帯です。内反捻挫では、この前距腓靭帯部分に損傷が起こるため、外くるぶしの前部分が腫れ、痛みが生じます。また、足を下に曲げたり内側に捻ったりすると、この部分に痛みが生じます。損傷がひどい場合は足関節の外側や前部分、もしくは全体が大きく腫れてしまうことがあります。

内反捻挫をすると、通常は外側の組織が損傷しますが、頻繁に足首の内側も痛くなることがあります。これは、足首を過度に内側に捻ることにより、内側にある靭帯などが挟まれたり、骨との値が衝突して痛みが生じることなどが考えられますが、通常は時間とともに痛みは消失します。

足関節内反捻挫の対処

足関節捻挫の対処法は第一はRICE処置です。RICEとは、「Rest(安静)」「Icing(冷却)」「Compression(圧迫)」「Elevation(挙上―心臓の位置よりも高く持ち上げておく)」のそれぞれの頭文字をとったもので、患部の炎症や出血を防ぐための応急措置のことです。

プロのアスレティックトレーナーや医療スタッフがいる場合には、捻挫の程度の評価をしてもらい、判断を仰ぐことが重要です。たかが捻挫だと思っていても、捻挫した時に靭帯が骨の付着部を引きはがしてしまう、はく離骨折などになっている場合もあります。したがって、たかが足首の捻挫だと思わず、捻挫した後は整形外科に行って診断してもらうことをお勧めします。

ひどい内反捻挫をすると、前距腓靭帯などの足首の外側の靭帯が部分的または完全に切れてしまうことがあります。このような状態になった場合、腫れが引いて痛みが治まった後も、足首は構造上非常に不安定になり、感覚的にも不安定感を感じるようになり、同じように内反捻挫を繰り返してしまうことがあります。

このような、構造的にも感覚的にも足首が不安定である状態を、慢性足関節不安定症と呼びます。

内反捻挫の再発を防ぐには

慢性足関節不安定症による捻挫の再発を少しでも減らすためには、第一にしっかりとしたリハビリテーションやトレーニングを行うことが重要です。

当然、足首周りの筋肉を鍛えることが重要ですが、特に、足を外側に動かす筋肉、つまり、足首の外側にある筋肉を鍛えて機能を向上させる必要があります。筋力を鍛えるだけでなく、足首周りの感覚を向上させるような運動を取り入れることも重要で、例えば片脚で行うバランス系のトレーニングを取り入れて、足首の反射や足部の感覚を高める運動も行う必要があります。

足関節の捻挫予防には、運動中の身体重心のコントロール能力を高めることも重要であると考えられます。質量が大きい体幹の位置や安定性を、動きの中で適切にコントロールできるようにするためのコアトレーニングを行うことも有用だと考えられます。

スポーツを行う前には準備運動を行いますが、この準備運動に足首周りの筋肉の反応や感覚を向上させる運動を取り入れるのも再受傷の可能性を減らすために重要です。足首周りの筋肉を積極的に動かすと、足関節周りの感覚受容器の感度や筋肉の反応を高めることができますので、例えば、チューブをつま先に引っ掛けて足を外側や内側に引っ張るような運動は、捻挫予防に効果的な準備運動です。

受傷後は足首の物理的サポートを必要に応じて行うことが重要です。そのツールとしてアンクルブレイステーピングなどがあります。どちらも足首の物理的固定には効果がありますが、不安感が高い場合や、受傷の度合いが高い場合はテーピングとアンクルブレイスの両方を行う場合もあります。中には、足首を何度も捻挫し、アンクルブレイスやテーピングをしないと足首が不安定でプレーができないという人もいます。ただし、アンクルブレイスには様々なサイズやタイプがありますので、適切なものを購入することが重要です。

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著者プロフィール

下河内洋平

下河内洋平 博士
博士(Exercise and Sport Sciences)

現大阪体育大学教授。2003年にアメリカ合衆国ミネソタ州においてNATA-BOC公認アスレティックトレーナーの免許を取得。2006年にノースカロライナ大学グリーンスボロ校において博士号(運動・スポーツ科学)を取得後、2007年まで同大学においてフルタイムの Postdoctoral Research Associate として働く。2007年9月より大阪体育大学に就任し、現在に至る。非接触性前十字靱帯損傷予防のメカニズムの解明や、そのための合理的なトレーニング方法の開発などを研究テーマの主軸として研究活動を行っている。

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