インソール(中敷き)の役割
Functions
1990年以降、世界的にスポーツシューズの形状、デザイン、機能など大きく変化してきました。特にランニングシューズは、競技者人口と健康志向の中で大きな拡大を遂げてきました。多くの競技者が、土のグランドからアスファルト路面でのランニングが増えてきたのもこのころです。(市民ランナーの増加)
しかし、硬いアスファルトの路面走行でランナーは、様々なスポーツ障害が発生し始めました。
足底筋膜炎、アキレス健の炎症、シンスプリント、腸脛靭帯炎、鵞足炎、内転筋炎症、股関節の痛み、腰痛、背中の張り、首筋の痛みなどです。
スポーツシューズメーカーは、以前よりクッショニングの良い底厚のランイングシューズを開発しクッショニングの改良を行いました。
しかし現実的には、シューズの改良でそれらのスポーツ障害は、解決しませんでした。
原因は、着地時の衝撃を吸収できないこと、またアーチのプロネーション(回内運動)に問題があることがわかり、インソールにその機能を求めることになりました。それらの事からインソール(中敷き)の大きな役割は
- 着地時の地面からの衝撃の吸収(ヒールストライクの緩和)
- プロネーション(回内運動)アーチの撓みの適正化
上記の機能二つがインソールの大きな役割です。また、上記の2つの重要な役割は、シューズ本体では、対応できないこともわかりました。
①ヒールストライク(踵からの衝撃の影響)
一般的にランニング時の足部外側からの着地の際、体重の3倍の負荷がかかるといわれています。したがって42.195Kmのフルマラソンは、42.195÷1歩のストライド×体重×3=の負荷がトータルでかかってきます。その衝撃は、足底筋膜⇒アキレス健⇒ふくらはぎ⇒ハムストリングス⇒臀部(お尻)⇒背中の筋群、首周辺の筋群に連鎖的に影響します。
②プロネーションの問題点と姿勢の変化
ラン二ングの着地の際にすねの脛骨と足部のアーチの部位は、連動して着地の衝撃を緩和します。着地後の脛骨の内側への回旋、アーチ部位の柔らかな着地、この2つの動作が、姿勢を保ち正しく地面をける方向に導きます。
例えば、オーバープロネーションの場合、内側に大きく足が倒れ込むことで、ひざの位置がX脚、O脚になり、姿勢が崩れます。その崩れを修正する為に骨盤がずれて姿勢を補正します。また骨盤の姿勢を保つために上半身が捻じれます。その捻じれを保つために、首周辺の筋群にストレスがかかります。
足のアーチのプロネーションの崩れにより、身体全体が姿勢を保つためによじれる。
この様なことがないようにプロネーションを良い状態にすることが大切です。
インソールの役割は、大きく衝撃の吸収と安定したプロネーションの維持のために使用します。