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「手の親指がいたい」
「親指の付け根付近や手首がいたい」ときの原因は?

監修:帝京大学医学部附属病院外傷センター 副センター長
帝京大学医学部救急医学講座 病院准教授 黒住健人先生

寒い季節には、関節の痛みやこわばりに悩む人も多いのではないでしょうか。コロナ禍で自宅にいる機会が多くなり、部屋を暖かくしていても「手の指がいたい」という人や「親指の付け根付近や手首が痛い」いう人が増えているとのことです。

また、外に出られないのでスマートフォンやゲームを長時間することが当たり前になってきていますが、最近注目されているeスポーツなどのゲームコントローラーで親指を使用しすぎて、手の関節の痛みに悩んでいる人も増えているとのことです。

一般の方でも以下のようなご経験はないでしょうか?

  • ペッドボトルのキャップやビンのふたを開けるときに痛みがある
  • ドアの取手などをつかむときに痛みがある
  • 洗濯バサミやホチキス、爪切りを使うときに痛みがある
  • スマートフォンやゲームの操作で指が痛い。
  • 手の親指の付け根あたりが膨らんでいる



 このような症状で考えられる原因として、“変形性関節症”のひとつ、「母指CM関節症」の初期症状かもしれません。

 

母指CM関節症とは?

 親指である母指の第1中手骨(だいいちちゅうしゅこつ)と大菱形骨(だいけいけいこつ)の間の関節(第1手根中手骨関節:CM関節)は、母指が他の指と向き合ってつまみ動作ができるように大きな動きのある関節です。

症状としては、使い過ぎや老化に伴って、関節軟骨の摩耗が起き易く、進行すると関節が腫れ、亜脱臼してきて母指が変形してきます。

主な原因は加齢やホルモンバランスの変化、関節の変形変化とされています。

 母指CM関節症の治療方法

母指CM関節症を治療するには保存的療法(理学療法、薬物療法)と手術療法があります。

痛みが強く、亜脱臼を伴う高度な関節の変形や母指に変形が見られる場合には、関節固定術や大菱形骨(だいりょうけいこつ)の一部を切除して靱帯を再建する切除関節形成術などの手術が必要になります。

初期症状の際には、保存的療法のサポーターなどの装具が痛みの緩和に有効であり、特に早期の方は夜寝るときも含めて2ヶ月はしっかり装着すると効果的です。

さらに産後の方や更年期の女性の方で、以下のようなご経験はないでしょうか?

  • こどもを抱っこした際に痛みがある
  • 重たい荷物を持った時に痛みがある
  • 家事による手(指)の酷使(料理中、掃除中など)で痛みがある

このような症状は、腱鞘炎の初期症状かもしれません。

腱鞘炎:ばね指(弾発指)やドケルバン病とは?

ホルモンバランスの問題で、妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く生じます。手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人にも多いのが特徴です。

手の指には、屈筋腱(くっきんけん)と靭帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)という組織があり、指の使い過ぎやホルモンバランスが原因で指の腱鞘に炎症(=腱鞘炎)が起きると、腱と腱鞘が擦れて痛みを感じるようになります。

腱鞘炎の治療方法

腱鞘炎を治療するには保存的療法(理学療法、薬物療法)と手術療法があります。

初期症状の際には、先のCM関節症同様に保存的療法のサポーターなどの装具が痛みの緩和に有効です。

力が入らないなど腱鞘の炎症が重症化している場合や、再発を繰り返している場合には、腱鞘を切開し、腱を開放する手術が必要になります。

また、以下のような手の骨折(特に親指周辺の骨折)にて、ギブス固定後に骨折部は完全に治ってもまだ痛みが継続する際に、親指と手首を固定できるサポーターを探されている方も多いと思います。

  • ベネット骨折(母指CM関節脱臼骨折)
    親指の指先から付け根に向けて強い力が加わり、ボクシングのパンチや突き指などが原因で起こる骨折
  • ローランド骨折(第1中手骨基底部の関節内における複雑骨折)
    ベネット骨折と同じように、強い力が加わったことが原因で、第1中手骨基底部がY字ないしT字型の関節内骨折
  • 舟状骨骨折(手関節にある8つの手根骨の1つで母指側にある船のような形をした骨の骨折)
    スポーツのケガの中で代表的な骨折の1つで、手をついて転倒した時に生じる骨折

そして、これらの骨折後にも母指CM関節症になるかもしれません。

黒住健人先生からのメッセージ

 日常的によく動かす場所である手ですが、その分痛みなどの症状があると、たとえ軽い症状であっても気になりやすい場所です。

炎症が強い場合であっても、初期症状であれば、痛みの原因となっている動きを控えつつ、サポーターなどでしっかりとした固定することで、痛みが改善し再発を予防することができます。

また、どうしても仕事や家事で使用しなければならない状況がほとんどだと思いますが、あなたの手を守るためにもサポーターは効果的です。

手の使い過ぎを避けるような対策を行っても痛みの改善や、その痛みで日常生活に支障をきたしていたりする場合には、整形外科への受診をお勧めします。

痛みのない手で充実した生活を送りましょう。

監修:
帝京大学医学部附属病院外傷センター 副センター長
帝京大学医学部救急医学講座 病院准教授 黒住健人先生

 

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